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特別編:介護日誌

4/7(水) 介護六日目
 期末の忙しさのため、甲府行きをしばらくやめていたが、先日久しぶりに行ってきた。1か月以上時が経過している。

 久しぶりに見る叔父ちゃんは、首がしっかりしてきたためか、かなり前よりもよくなったように見える。前回会った時は、首にまだ自分の頭を支える力がなかったため、どうしても下を向いてしまっていた。今もまだ右側に傾いたままではあるが、「上を見て」と要求すると、楽々その要求に応えてくれるようになった。これで食事が随分楽になったはずなんだけど、最近、食事の方はあまりシャキシャキ食べてくれないそうだ。

 これは今回聞かされた“悪い話”と関連している。今まで「しゃべらない」「無表情」「無反応」などの症状は、脳梗塞に伴う「パーキンソン症候群」(パーキンソン病に似た症状が出るため、こう言われている)のせいだと言われていた。が、どうやら「パーキンソン症候群」ではなく、「パーキンソン病」そのもののようだ、という話になってきている。

 そうなると先々がかなり暗い。あまり考えたくないが、パーキンソン病は現在も“不治の病”である。医師は「脳の病気の中でも数少ない“薬が効く病気”ですから安心してください」と言っているそうだが、薬は症状に効くだけであって、病気そのものは治さない。しかも、継続投与すれば段々と効き目も薄れていくので、それに伴って薬の量を増やしていくしかないのである……。考えても仕方がないことは考えないようにしよう。

 相変らずリハビリのスケジュールがいっぱいで忙しい。朝は食後に「起立運動」をする。前はまったく何もできない状態だったが、今は廊下の手すりにつかまり、左側から少し支えてあげるだけで自立(今度こそ本当に自立)することができるようになった。はたから見ていると、かなり力を入れて支えているように見えるが、介助しているマナちゃんに言わせてみると、「ほとんど力を入れていない」そうだ。これは喜ばしいニュースだった。

 午後は歩行訓練もあった。が、その前に、入院以来切っていなかった髪を切ろうという話になった。リハビリの先生が「今度僕が切ってあげますよ」と言ってくれていたらしいが、いつも忙しくしていてなかなか頼めなかったらしい。
 私は高校時代、YMCAのキャンプで1か月間山にこもっている間、“青空散髪屋さん”をしていた経験があったので「じゃあ、私が切ってあげる」ということにした。

 3Fから隣接している棟の屋上に出られる。その日は天気もよく、少し風が強かったものの、桜も満開で気分爽快。外に出るってのはこんなに気持ちのよいものかと思った。叔父ちゃんも久々に太陽の光を浴び、風に吹かれて気持ち良さそうだった。屋上に出てまもなく、それまでずっとしゃべらなかったのに、いきなり「爽快だね」と大きな声で言った。その声を聞いて思わず笑顔がこぼれた。

 散髪中、慣れないもんだから、随分時間がかかる。あーでもないこーでもない、とチョキチョキやっていると「床屋さんははやいよね」と突然大きな声がする。びっくりした。後ろから誰かが来たのかと思ったが、その声は叔父ちゃんのものだった。私達がチンタラやっているから、遠回しの抗議をしたのかな。

 釣の大好きな叔父ちゃん。病室で休憩している時に「叔父ちゃん」と声を掛けると「なに?」と返ってきた。「鮎釣りの季節っていつ頃なの?」と聞くと、しばらく黙っているから反応してくれないのかと思ったら、「だいたいね」と声が出る。一瞬聞き取れず、全然かみ合わない反応が返って来たのかと思ったら、「6月から8月かな」と言葉が続いた。「ふ〜ん、夏なんだぁ。夏までに何とか歩けるようになるといいね」と言うと、コックリとうなずいた。

 これは午後に歩行訓練をしているのを見たから。頑張れば夏までに歩けるようになるかなと思い、現実的な目標を提示してみたんだ。でも、帰りの車の中でマナちゃんに聞いた話によると、医師からは「二足歩行は諦めてください」と言われているらしい。「なぜ?!」と私は思った。どうやらそれは、前の病院で1か月以上も寝たきりにさせたかららしい。すっかり筋力が落ちていて、自力歩行ができない今、それを急速に回復させる術もなく、また歩けるようになるほどの筋力回復は不可能だと判断したらしい。

 そう思ってしまうのはとても悲しいことだし、そういう話なら、時間がかかってもトレーニング次第なんじゃないかな? と諦めの悪い私達は思った。 (1999/4/15執筆)

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