ただ今、新宿19時発のスーパーあずさ号で甲府に向かっているところです。時刻は19時32分。ギリギリに飛び乗った電車の中で、さっそくまわってきたお弁当売りのお兄さんから待望のお弁当を購入し、一気に食べちゃった後です。
“お弁当”、それは昔、とってもワクワクするキーワードだったなぁ。小学校のお昼は給食だった。それはそれでとってもおいしかったんだけど、時々「お弁当の日」ってのがあって、いつも以上にお昼が待遠しい一日だったことを覚えている。多分、みんなそんな記憶があるんじゃないかな。
それから、お弁当と言えば“遠足”。遠足と言えば「バナナはおやつのうちですかぁ?」ってセリフが出てくるね。これは「おやつは500円まで」なんて規制があったから出てくる言葉だけど、よくよく考えると「バナナはお弁当のうち」のような気がする。だって、「デザート」はお弁当のうちでしょ? ま、私はバナナがあまり好きじゃないので、おやつだろうとデザートだろうと歓迎しなかったんだけどね。
そして、お弁当と言えば“駅弁”。今日はこのケースにあたるな。最近は一人暮らしが長いもんで、会社でも家でも「コンビニ弁当で済ます」なんてことが多くて、あまり“お弁当”にワクワクできなくなってきてたんだけど、そんな私にも駅弁にワクワクした経験はある。なんでだろうね。
名物とか、そういうのにはあまり興味ない方だけど、旅と言えばお弁当。で、これが必要以上に楽しいんだな。電車の中では他にあまりやる事がないからかな? それと、車での旅に比べて、渋滞のイライラもなく、ぼーっと景色を見ているだけで目的地に到着するとか、酒を飲んでも大丈夫とか、お弁当ものんびり食べられるんだぞぉ、みたいな優越感があるのかな?
私の“旅の弁当”の記憶っていえば“峠の釜飯”かな。子供の頃、家族でよく軽井沢に行っていた。これは夏になると軽井沢に引っ込むおじいちゃんを訪ねる旅なんだけど、その時に必ず釜飯を食べていた。あの容器が印象的なのよね。重たいけど捨てるのはもったいないからお持ち帰り。家にいっぱいあったような気がするけど、あれはどうしたんだろう?
それでね、今日のお弁当だけど、すっごくお腹が空いていたから何でもよかったんだけど、一応「何がありますか?」って聞いてみた(まあ、聞かなくちゃ買えないんだけど)。で、おにーさん、「幕の内、元気かい、××、○○…」と名前を言い始める。「へ? “元気かい?”」と私は思った。そこでおにーさんを遮って、「元気かいってなんですか?」と聞きました。その説明はよくわからなかったけど、「二段重ねの弁当」であることだけはわかった。まあ、ものは試しってもんで、それにしてみました。
元気かい?の正体は“元気甲斐”でした。そうかい、そうかい。“甲斐”なのね。
お値段は1,300円とちょっと高め。でも、お品書きっていうのか、ちゃんと中に入っているもののリストがついていて立派です。二段ともご飯とおかずが入っている。以下がメニューです。
一の重
一、胡桃御飯
一、蓮根の金平
一、山女の甲州煮
一、蕗と椎茸と人参の旨煮
一、蒟蒻の味噌煮
一、カリフラワーのレモン酢漬
一、紫茸と揚げの胡麻酢合え
一、セロリーの粕漬け
二の重
一、栗と占地のおこわ
一、アスパラの豚肉巻き
一、鶏の柚子味噌合え
一、公魚の南蛮漬け
一、山牛蒡の味噌漬
一、沢庵
全部読めます? お品書きはルビふりまくりなんだけど、ルビなしのものを改めて見ると、私には読めない漢字がいっぱいだぁ。
ま、それは置いといて、全体的な感想としては、「とってもおいしゅういただきました」。ちゃんと一の重から食べたんだけど、胡桃御飯って初めての経験でした。二の重の栗御飯はおいしかったけど、占地(シメジ)がなんだかちょっと苦かった。くさみがあったというのかな。おかずはどれもちょびっとずつで、一の重は3×3cmくらいの仕切りがいっぱいあって、そこにちょぼちょぼって入っていた。わりとどれもおいしかったけど、「食べた」って感覚があまりない。
二の重は御飯の上におかずがばらまかれているような、いやちょっと違うかな。仕切りはないんだけど、弁当箱の片側におかずが寄せられてる感じかな。こちらの「アスパラの豚肉巻き」なんかは私好みのメニュー。一の重よりもしっかりと量があるし、おいしかったです。笑ってちゃうのが「公魚の南蛮漬け」。ゴミかと思うくらいちっちゃかった……。魚のサイズも異様に小さかったんだけど、それが更に切断されていて、頭の方半分しかなかったの。しかも、一匹のみ。びっくりしちゃった。写真撮りたかったな。あれは何かの間違いなんじゃないかな? しかし、「沢庵」までお品書きに入れるんかいな。
そんなところで本日のひとりごとは終了っと。(1999/1/26)
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