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CSC News No.1(1996.02.12発行)より
すでに一部の方には新しいC3リストを発送させていただきましたが、今年の一月からC3A及びC3Bのリストが変更されましたので、その経過を報告したいと思います。
御存知のように現在スクウェアダンスのリストはメインストリームからC2までコーラーラブで決定されています。そしてC3については今回のような方法で定期的にリストの見直しがなされ、C4に関しては統一されたリストが作られていないというのが現状です。では時間の経過に従って詳しく内容を追ってみましょう。
アメリカのC4コーラーBen RubrightがC3コーラーにリストの見直しを伝え参加の有無を問う。
1) ここでのC3コーラーとはBenが考えて少なくともC3Aをコールしていると思われるコーラーで、できるだけ多くの人を対象にしたいと意図された。 2) 参加の確認は、参加したくない人あるいは自分が適任ではないと考える人は何の返事も出さないことが意思表示となり、参加する人はどんな方法でもよいから返事を出すことで資格が得られた。 3) リスト見直しの第一段階として、現行のリストに変更を加えたい人は期限までに変更の内容と必ずその理由を添えて郵送または電子メールで送った。
各コーラーからの提案に沿った第一回目の投票内容が明らかにされ、期限までに郵送または電子メールで投票を行った。
1) 全部で146の提案があり投票を簡潔にし微妙な意見の相違を調停するために、少なくとも二人以上のコーラーから提案された項目についてだけが投票の対象となった。 2) 投票の具体的内容は紙面の都合上掲載不可能だがその概要を以下に記す。
C3Aから削除: 難し過ぎる・動きにくい・定義が不明確等の理由で8個。 C3Aに追加: すでに類似のコールがある・ダンスに適している等の理由で8個。 C3Bから
C3Aに移動:C2の拡張である・便利な上やさしい等の理由で5個。 C3Bから削除: 難しすぎる・使用が限定的・動きにくい等の理由で17個。 C3Bに追加: 実際にコールされている・少しの拡張で理解可能等の理由で16個。 その他: 難しいコンセプトの削除または使用を限定・名前の変更等4個。
第一回目の投票の結果、変更が決定されたものとさらに投票が必要なものとが分類され第二回目の投票が行われた。
1) 変更が決定されたものを以下に記す。尚( ) 内は一回目に示された提案理由。
C3Aに追加: 3/4 the Deucey (すでに1/4 the Deucey があるので類似と考えられる)
Initially Concept (すでにある RandomよりC3Aに適している)C3Aへ移動: Once Removed Diamonds (簡単な Once Removedの拡張である)
Relocate (C2の拡張である)
ATC(Any Tagging Call) ReactionC3Bに追加: Change Reverse to Mirror (Reverse よりMirrorの方が正確な表現)
ATC and Scatter (これまでの知識で応用できる)
Cross Lockit (リストにはないがしばしばコールされている)C3Bへ移動: Diagonal Boxes (ほとんどの場合動きにくいのでレベルアップ)
Phantom Columns (難しいのでレベルアップ)
Random Concept (難しいのでレベルアップ)
Z Concept (難しいのでレベルアップ)C3Bから削除: Cross Walk and Dodge (動きにくく使用価値が少ない)
Diagonal C/L/W(Columns/Lines/Waves) (動きにくい)
Grand Switch (使用価値が少なく理論的に正しくない)
Interlocked C/L/W (とても難しい)
Peel/Trail the Deal (Loop and Tag と同じなので必要ない)
Z C/L/W (シェイプチエンジするものが使えないし難しい)その他: Triple Setups Working Concept は Triple Lines/Waves
Working Forward or Backward に使用を限定する。
2) 第二回目の投票は最初の投票で僅差だったもの、選択肢が二通りに明確になったもの、誤って載せられなかったものについてなされた。
第二回目の投票結果が発表された。
1) 変更が決定されたものは以下の通り。
C3Aに追加: Wind the Bobbin (ダンスに適した動き) C3Bに追加: stimulate (良いカラムからのコール) C3Aから削除: Trail Chain Thru (ダンスのタイミングが悪い) その他: Single ConceptはC3Bへ移動するが次のSingle CallはC3Aに残す。
Single Ferris Wheel, Single Turn to a Line,
Single Rotary Spin, Single Polly Wally.
新しいC3A,C3Bのリストが発表される。
以上リスト変更の過程を見てきましたが、ここから様々なことが浮かび上がってきます。まず感じるのは違うダンスレベル間のコールやコンセプトの移動が難しいことです。それはリスト変更の手続きがC1/C2とC3では異なるためですが、今回もC4からやC3AとC3Bの間では移動が検討されましたが、C2以下のレベルへの移動やその逆については触れられていません。またメインストリームからC3のすべてのレベルで、リストから削除されたものの行方はどうなっているかと言いますと、C4に入る仕組みになっています。そういった意味からもC4にあるコールの量は膨大ですが、それが常に使われているわけではありません。先にC4には統一されたリストがないと言いましたが、何人かのコーラーが各自のリストを作りその大半の部分は共通しています。
そしてリスト変更の提案理由からは、最近のチャレンジダンスの傾向が伺われます。ここ数年来“danceable”という言葉を良く耳にしますが、今回の提案理由も動きがダンスとして適当かどうかという点が重要視され、理論的な問題はなくても結果にいたる軌道が見出しにくいもの、ダンサー同士がぶつかったりしやすいもの、感性に合わないものが問題とされました。
さらに気付く点は、これまでC3で使われていた幾つかのコンセプトが、C4へ移動したり使用を制限されたことです。その主な理由は難しいということで、先程の“danceable”であらねばならないということにも通じますが、別の視点からも原因を考えることが出来ます。一般的にコンセプトはそれ自身では易しいとか難しいとはいえず、どのように使われるかによってその難易度が決まります。例えばC1にあるコンセプトでもC3で十分難しいという使い方もできますし、逆にC4にあるコンセプトでもC1で使うことも可能です。つまり、ダンサーレベルに適さないコンセプトの濫用が問題を引き起こしているとも言えます。今回使用を制限されたものも完全にそれを抑えることはできないかもしれません。そう考えるとリストはあくまで一つの指標であり、その使い方はコーラーがダンサーとのコミュニケーションによって見出してゆくものだと言えるでしょう。
竹内 眞理子