ボートダイブの後、昼食の直前にリチャードが発つと言ってきた。「え、え?」と言っているうちにどんどんボートに乗ってしまうので、慌てて追いかけてジャブジャブと水の中に入って別れを言いに行く。海から背伸びして、ボートに乗っているリチャードに話しかけ、連絡先をもらった。「ペン持ってこ〜い」という呼びかけに反応して、はせがーと柳本さんもジャブジャブと入ってくる。いくら水着とは言え、みんなメガネかけてるし、手には濡れてはいけないものを持っていたので、なんだかちょっと滑稽だった。 あんなに憎まれ口を叩いていても、お別れとなると淋しいもんだ。一番のケンカ友達だった玲子さんはやっぱりちょっと淋しそうだった。 ちなみにリチャードが乗っているこの船、その名を「HAMMER HEAD」と言うのだ(この時知った)。後ではせがーと2人で「僕たちはハンマーヘッド見たよねぇ。大きかったよぉ」とさんざん浅賀をいじめたのだった。 | |
さて、昼食。今日はとっても日差しが強くて、テラスの1階の直射日光が当たる半分はとても食事ができる環境ではなかった。宿泊人数も多く、場所が確保できなかったため、私達6人組は誰もいない2階に上がってお食事。こっちの方が作りは立派だし、涼しいのに、なぜか誰もここでは食事しない。いつも貸し切り状態だった。あんまり快適なもんで、普通は食後はだんだんと部屋に帰ってちゃんとベッドで寝る万丈さんがいきなり地べた(床)に寝ころんで熟睡を始めた。柳本さんも一緒になって寝っころがっているところを、後から上がってきた白人のおやじが見て、何を思ったのか「Oh!」とか言いながら自分も寝ころぶ。合計3体のマグロ状態。玲子さんは「外人も床に寝るのか!?」と驚いていた。 ダイビングの合間にせっせと睡眠をとるダイバー達だが、私と玲子さんは一週間、昼寝はまったくせず、玲子さんは宿題の絵日記書き、私は写真の反省とリブレットを駆使してテキストベースの日記書きをせっせとやってました。 | |
その頃、浅賀とはせがーはあやしい状態になっていたのだが、玲子さんのイラストにもあるように、証拠写真あり。写真があるようじゃ、全然あやしくないよね。要するに昼寝(熟睡)中の浅賀を「そろそろ起こしに行こう」と私と2人ででかけ、あんまりぐっすり寝ているもんだから、ちょっといたずらをしてみただけです。浅賀の名誉のために言っておきますが(名誉を考えるなら写真載せるな、って?)、浅賀はちゃんと水着を着ています。わざと何も着ていないように見えるようにタオルケットで隠したのじゃ。そしてはせがーは浅賀の耳元で「あさがー、おきろー。時間だぞー」と全然色っぽくない言葉をささやいていたのでした。(あ、あさがっち、怒んないでぇ〜) | |
証拠写真1 | 証拠写真2 |
---|---|
午後、柳本さんが胸の痛みを訴え、3時のダイブはリタイアする。じゃあ、というわけではないが、ちょっと変わったことをしたかったので、島の反対側まで歩いて、そこからビーチエントリーをしてみようという話になった。柳本さんはシュノーケリングもしないというが、散歩がてら一緒に行って、日陰で読書でもしていると言う。 |
そうとなったらもう気分はピクニック。玲子さんが小さなクーラーバッグを持ってきていたので、コタキナバルで買った缶ビールの残り2本と(ここではフタを開けたビンビールしか売ってくれないのだった)おやつに出ていたバナナをクーラーバックに入れ、氷をもらう。持ってきたはいいけど活躍の場がなかったピクニックシートやビーチタオルを、これまた活躍の場がなかったメッシュバッグに機材もろともぶち込んでお散歩に出かける。(ワックワク!ってな感じ) |
昨晩、カメの産卵ツアーで突っ切った道を歩くつもりが、ちょっとどこかで道を間違えたみたいだった。でも、すぐに海岸に出たので問題ないと思っていた。だいたい、その突っ切る道のりが5分程度の短いものなので、多少角度を間違えても大したことないと思っていたのさ。 But,しかし!これが大きな間違いだった。 私の想像(1)では、昨日の道のりは内陸に向かって右側の方に突っ切っており、歩いた時間が同じであれば、そんなに離れたところには出ない。想像(2)ではほぼ真正面に出ていたとしても、直径で5分位なら、ぐるっと回っても大したことない、ということ。だけどさぁ...島は丸くなかったのさ。 |
それはすべて後でわかったことなんだけど、実際の島の形は左図のようなひょうたん型で、私達の頭の中では手前の小さな部分だけしか想像しきれていなかったんだな。 はまったのはそれだけではない。とりあえずは昨晩のカメの産卵ポイントを目指して延々、炎天下を歩いたわけなんだけど、無事辿り着いた時ちょっと愕然としちゃったぜ。だって何しろ浅いんだもん。最初に荷物を置いて偵察に行った場所ではどこまでもどこまでも、いっくら歩いてもいつまでたっても水深がくるぶし程度。水温も高くて温泉状態。いっくらなんでもこりゃ泳げない。確か、昨日の夜はもっと水があったはずだ、と思ったんだけど、よくよく見てみると、昨日の夜歩いたあたりから随分と潮が引いている。高さにすると1メートルは水面が下がっている。う〜む、1メートルあれば十分泳げるんだけどなぁ...。 柳本さんには悪いけど、ここじゃあとても泳げない、と場所を移すことにする。さらにたくさん歩いて、今度はようやく腹をすらずに水に浸かれる程度の水深の場所に辿り着く。サウスポイントあたりのダイビングボートが見える。泳いで行けない距離じゃないので、ちょっと我慢して泳いであそこまで出よう、という話になった。が、結論から言うと、これもまた、あてが外れたのであった。 玲子さんと2人でホフク前進をするようにどんどんと沖へ泳いだはいいけど、そこに現れたのは珊瑚礁の壁。珊瑚礁に辿り着くまでは砂なので魚はあんまりいない。いてもとっても小さいの。全長1センチくらいの小さな小さな熱帯魚達もかわいかったけど、やっぱり珊瑚礁に群がる大物が見たかったから、珊瑚礁の登場は歓迎すべきものなんだけど、これが砂地から飛び出る形で珊瑚が生えている(?)ので、一段と水深が浅くなってしまい、おまけに珊瑚礁は結構痛い。かといって歩いて渡ると珊瑚を破壊してしまうので、これも駄目。どこかに切れ目はないものかと、進路を阻む珊瑚の壁を迂回しようと横に泳いで行くものの、どこまで行っても壁は続いている。そうこうしているうちに浜に2隻のボートを発見。ボートがあるんだからその辺は深いんだろうと少し希望を感じ、一気にボートを目指して泳いでいく。そこからまた沖に進んでみるが、淡い期待はすぐに打ち砕かれた。結局、珊瑚の壁はずっと島を取り囲んでいた。 |
ため息をつきつつ、ふと沖から島の方を振り返ると...なんとそこに私達のコテージが見えるではないか。浜からは角度が悪くて見えなかったが、実はこんなに近かったのね!って場所だった。う、う、そんなことなら最初からこっちまわりをすりゃあ良かったと思ったものの、そうして来ても何もなかったんだな、とすべての選択が誤りだったことを反省する。 |