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スクエアダンスに関する
ありがちな誤解を解きましょう

 ここは「スクエアダンスって何?」と思っていた人が、少し説明を聞いた時に想像しがちな誤ったスクエアダンスのイメージから軌道修正するためのページです。

 誤解その1:「どっちの足から踏み出したらいいんでしょうか?」
 誤解その2:「へ〜、大会に参加してきたんだ。で、勝ったの?」
 誤解その3:「パートナーが誰であるかは重要ではないの?」
 誤解その4:「英語なんでしょ? 私、苦手なんだよなぁ」
 誤解その5:「男女の数が合ってないけど、いいの?」
 誤解その6:「言われた通りに動くだけで何がおもしろいの?」
 誤解その7:「音楽は、いわゆる“カントリーミュージック”なの?」
 誤解その8:「私、トロイからみんなの足を引っ張っちゃうんじゃない?」

あなたの足跡を残そう!
  


誤解その1:
 「どっちの足から踏み出したらいいんでしょうか?」

 スクエアダンスには、覚えなくてはいけない「ステップ」はありません。身体的に必要とされている能力は、普通に「歩く」能力のみです。いや、アメリカでは、歩くのもつらい人達もたくさん、スクエアダンスを踊っています。車椅子のスクエアダンスもあります。だから、踏み出す足は右足でも左足でもいいのです。(でも、「どっちの手を出すか」はとても重要なんです。)
 同様の質問で、「このコールは何ステップで踊ればいいのでしょうか?」という質問もされますが、そんなことは気にしなくていいのです。歩幅によります。(でも、一応、音楽がかかっているのだから、できるだけ音楽に乗って動いて欲しいというのが私の希望ですが....)


誤解その2:
 「へ〜、大会に参加してきたんだ。で、勝ったの?」

 スクエアダンスには、「勝ち負け」はありません。「ダンスの成功率」というのは何となくありますが、うまく踊れれば「あ〜よく踊れて楽しかった」となり、たくさん失敗をして、ちっともお家に(Home Positionに)帰って来れなかった時は悔しく感じ、「次こそは頑張るぞ!」と思うまでです。
 実を言うと、私自身はスクエアダンスに十分、競技的な要素を見い出しているのですが、今のところ、あくまでもレクリエーションとなっています。まあ、それがスクエアダンスのいいところなのかな、と思う部分もあります。
 時折、遊びで“Challenge Square”ということをやります。これは、一言で言うと「生き残りゲーム」です。一回失敗すると、そこでそのセットは退場。最後まで残ったセットに景品が出る、という形の遊びです。でも、これはあくまでも“遊び”であって、スクエアダンスの本質ではありません。


誤解その3:
 「パートナーが誰であるかは重要ではないの?」

 あまり重要ではなんです。なぜかと言うと、他のダンスと異なり、スクエアダンスは8人で一単位。ひとたび音楽が鳴り始めて、ダンスに入れば、その8人がぐちゃぐちゃに混ざり合ってしまうからです。手をつなぐ回数はパートナーであろうとなかろうと、あまり違いがありません。
 ただ、セットの大半が状況を見失い、8人が歯欠け状態になっていても自分は踊り続けている、というような状況では、パートナーが“強い人”であることは重要かもしれません。自分が最後まで踊り切った時、本当に合っていたのかどうかをはかるものさしとして、自分のパートナーと出会えるかどうか、という見方があります。この時、お互いに間違えていて、たまたま出会ってしまったのか、本当に合っていたのか? パートナーが強ければ強いほど、「きっと合っていたんだ」という確信は深まるわけです。
(その前に、自分が一人でも踊り切る実力をつけないといけないんですけどね...)


誤解その4:
 「英語なんでしょ? 私、苦手なんだよなぁ」

 大丈夫です。英語だと思うからいけないんです。コールは“暗号”です。一部のコールに「名は体を表わす」というものもありますが、ほとんどのコールは「Aというコールはこういう動き」という風に暗記していくしかありません。これはアメリカ人でも条件は同じです。
 アメリカのスクエアダンサーによく「日本人はどうして英語がわからないのに踊れるの?」というようなことを聞かれますが、心配ご無用。要するに「音」と「動き」を組み合わせて覚えていけばいいだけですから。ただ、この暗記が結構つらい。で、日本には「語呂合わせ」という便利な技があり、日本独特の覚え方も生まれるわけです。例えば4人が横一列に並んでいるところから、一番左端の人が一番右側に動き、最初とは逆の向きを向く。その他の人達は、その空いた場所に向きを変えながら1個づつずれていく、という動きがあります。このコールの名前は「Sock it to me」。で、これを覚えるために、「ソックスは左から」なんて掛け声をかけながら踊ったりします。(あ、これは“語呂合わせ”って言わないかな?)


誤解その5:
 「男女の数が合ってないけど、いいの?」

 これはよくある状況です。でも、いいんです。スクエアダンスの動きには、男女の違いがあまりありません。一部、男性と女性でやることが違うコールもありますが、ごく一部です。そういうコールがかかった時に、男性役をやっている女性、または女性役をやっている男性が気をつければいいだけのことです。
 ただ、「男性は何をしろ」「女性は何をしろ」という形の指示がよくあり、時には自分の目の前にいる人が同性(役)なのか、といったことが重要になり、「あなた男?」なんて質問が飛び交います。ちょっと異様な光景ですよね。


誤解その6:
 「言われた通りに動くだけで何がおもしろいの?」

 ふっふっふ。これが言うほど簡単じゃないんだな。
 まずは、言われた通りに動くこと自体がそんなに簡単じゃない。なぜならば“いつ何を言われるかわからない”からです。レベル毎に指示されるコールの範囲は決まっていますが、1レベルあたり100近い暗号(コール)を覚えなければいけないわけですからね。例えちゃんと全部覚えていたとしても、検索にちょっと時間がかかります。まあ、ずっと踊っていればある程度、“体が覚える”って部分もありますが...。
 それから、次に難しいのは“必ずしもいつも同じ形からかかるわけではない”からです。踊り慣れているポジションからの踊り慣れたコールは“体が覚えている”かもしれませんが、いつもと違う形からそのコールがかかった場合には、「ここから動くとどうなるんだ?」という謎解き作業が必要になります。それも一瞬にして。ほら、一筋縄じゃいきそうにないでしょ?
 また、“コール”のほかに“コンセプト”というものがあり、これは直訳すると「考え方」とでも言うのでしょうか、あるコールを動くために普段とは違う「ルール」を用いるのです。例えば“As Couples”と言われたら、普通は1人でやるところを、隣り合った2人でやる。2人で1人の役割を果たすわけです。これは簡単な例ですが、複雑なコンセプトになると、それはもう“解釈”の世界です。まるで古文をどう読みとるか、みたいなもの。...と私は考えています。(この“解釈”を、酒を飲みながら語らうのが、またいいんです。)


誤解その7:
 「音楽は、
   いわゆる“カントリーミュージック”なの?」

 かける音楽は、はっきり言って「なんでもいい」んです。
 一応、スクエアダンス用にアレンジ(歩きやすいように)されていますが、原曲のジャンルは様々です。ポピュラーソングもたくさん使われています。映画のテーマソングが結構多いかな? 例えば“スタンド・バイ・ミー”なんかはよく使われる曲のひとつです。
 私がアメリカに行って友達になった、ある女性ダンサーなんかは「私は音楽を楽しむためにスクエアを踊っている」ときっぱりと言い放っていました。私も結構その傾向が強いです。だからテンポよく踊れないのはイヤなんです。「お願いだからコーラーの皆さん、スムーズに踊れるコールをして!」っていつも訴えています。


誤解その8:
 「私、トロイから
   みんなの足を引っ張っちゃうんじゃない?」

 スクエアダンスは競技ではないんです。もちろん、自分がセットを壊す原因になってしまったり、して「足を引っ張っている感」を感じることがありますが、そんなことは誰にでも、しょっちゅうあることなんです。自分が間違えることもあれば、リードすることもある。そうやって助け合って踊るのが楽しいんです。誰もが完璧に踊り切ってしまったらスクエアダンスの楽しみはゼロになってしまうと私は考えています。でも、もし自分がこのレベルで踊るのはつらいと思ったら、幸いなことに細かいレベル分けがあるのだから、自分が楽に踊れるレベルで踊ればいいのです。固定したチームで踊るものでもないので、レベル間の移動は個人の自由です。早く進みたい人はたくさん勉強して、たくさん練習して駆けのぼるのもいいでしょう。ゆっくりとやりたい人は無理せず自分のペースで覚えていけばよいのです。


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